施設名医療法人杏政会 在宅介護支援センターあじさい
所在地鹿児島県 薩摩川内市 横馬場町6番15号
職員数7 名
利用者数約165名
運営施設居宅介護支援事業所
導入製品介護トータルシステム『寿』

医療法人杏政会様は、長年 介護トータルシステム 『寿』 をご利用いただいております。
今回、 夜間の緊急対応のため、ケアマネジャーの在宅勤務環境とタブレットを整備・導入されました。
具体的な活用方法やコロナ禍における導入効果について、統括次長の池松(いけまつ)様、居宅サービス所属のケアマネージャー永原(ながはら)様にお話を伺いました。

導入のポイント
  • 『寿』が在宅で使用できることで、緊急時・夜間時の問い合わせ対応がスムーズになった。
  • コロナ禍でケアマネが自宅待機となった場合も、サービス提供を継続できた。
  • 災害も含めたBCP対策として、在宅勤務環境・タブレットの活用をもっとすすめたい。
施設長 高江様

【施設長】あじさい苑グループ様で、サービス提供にあたって大切にされていることを教えてください。

介護事業は、サービス業です。サービス業で一番大切なのは、「要求されている質・量、そして、スピーディーな対応です。この地域の人たちが何を求めているか知り、素早く応えていく姿勢を職員は、大切にしてほしいと思います。

池松様(左)、永江様(右)

在宅介護支援センターあじさい様について教えてください。

7名の居宅担当のケアマネージャーと3名の在宅介護支援担当者で構成されています。
1か月あたりの利用者は、165名前後です。
実施区域は薩摩川内市・さつま町で、一番遠い利用者様のご自宅までは車で40分程かかります。
経験豊富なベテランのケアマネには、30名以上を担当してもらっています。

在宅勤務環境を整えたきっかけを教えてください。

直接的なきっかけとしては、居宅介護支援事業所で「24時間体制を維持するため」でした。
約165名の利用者全ての情報を、管理者が把握することは難しいです。

例えば、独居の方が救急搬送されると何も情報がわからないケースが多く、夜間であっても事務所に電話が来ます。夜間の電話は、担当者の携帯電話へ転送されます。

手元に『寿』を使えるタブレットがあれば、緊急の連絡先や主治医などの情報提供を、すぐにしっかり対応できると思い、導入しました。

一人の利用者に対して、かかりつけ医・入院先の主治医・介護サービスを利用している事業所・ご家族・包括支援センターなど、多数の関係者がいます。もともと何か利用者に動きがあれば、できるだけタイムリーに『寿』へ記録を残していました。担当ケアマネでなくても、誰でも問い合わせに対応できる環境はありました。

導入効果を、どんなところに感じますか?

当初考えていた、夜間・緊急時の問い合わせ対応はしっかりできています。
それ以上に、コロナ禍での感染防止対策・サービス継続ができたということに、一番ありがたさを感じました。濃厚接触者・自宅待機者になってしまうと出勤できません。そういった場合もタブレットを持ち帰りさえすれば、在宅で『寿』が使えるので、利用者や関係者とのやり取りもできます。

これまでもインフルエンザや介護や育児などでお休みする際には、誰かがフォローはしていました。ただ、フォローする側の労力も大きいですし、休んでいる担当者も気が気ではないというか…。気持ちの部分も軽くなり、休むという選択肢も選びやすくなったと思います。
在宅勤務環境・タブレットが無ければ、コロナ禍を乗り切れませんでした。

具体的にどのように運用していますか?

入力する内容も多いので、キーボード付きのタブレットを3台使用しています。
夜間に備えて担当者が持ち帰ったり、自宅待機になった担当者が持ち帰ったりしています。
自宅で『寿』に印刷指示をかけると事業所のプリンターに出力されるので、事業所にいる職員にFAXしてもらえるのもありがたいですね。
利用者のご自宅で使ったことはありません。 電波状況が悪いというのもありますし、まだ利用者の抵抗があるように感じます。

今後取り組みたいことは?

担当利用者が多いベテランのケアマネのためにも、もう一台はタブレットが欲しいですね。
コロナ禍で、「職員が事業所に駆け付けられない」という状況を経験しました。
ちょうどBCP対策を作成しているのですが、災害時も同じだと気づきました。
予測がつかない災害時でも、在宅勤務の環境を整えておくことで、職員の安全を確保しつつサービスの継続ができるのではないかと考えています。
ケアマネの仕事をする人が少なくなっていくなかで、人間の力だけでどうにかしようとせず、ITの力もうまく使っていきたいですね。

施設長より

こういったICT化を進めるにあたって、「早く始める」ことはとても大切だと感じています。
簡単なことから徐々にトライして感覚に慣れていけば、これからシステムや環境が発展した際にも、いち早く追いつけます。
また、職員が他の施設で働く場合も困らないようなスキルを身に着けられる教育としても、新しい取り組みはどんどん進めていきたいですね。