施設名 | 公益社団法人姶良地区医師会 訪問看護ステーション |
所在地 | 鹿児島県霧島市隼人町内山田一丁目6番52号 |
職員数 | 15 名 |
利用者数 | 約90名/月 |
運営施設 | 居宅介護支援事業所 |
導入製品 | 介護トータルシステム『寿』 |
鹿児島県霧島市の姶良地区医師会訪問看護ステーションは、 「こう生きたいを支える訪問看護」 を理念に、 利用者様のご希望に沿った在宅サービスで地域医療を支えています。
長年、 介護トータルシステム 『寿』 を介護請求でご利用いただいておりました。
2020 年より、訪問看護記録の ICT 化に取り組んでいらっしゃいます。
訪問先での記録方法や具体的な運用の工夫について、 管理者の井元 (いもと) 様 ・ 坂元 ( さかもと ) 様にお話を伺いました。
導入のポイント
- これまでは記録書の作成に 1 日 30 分程かかり、 様式もバラバラだった。
- 訪問と訪問の間に記録ができるようになり、 時間と場所を選ばないのがスタッフに好評。
- 『寿』 の機能はほとんど使っており、 独自の様式は文書管理を活用。
- 加算に必要な記録がきちんと残っているかチェックするのも簡単になった。
姶良地区医師会訪問看護ステーション様について教えてください。
訪問看護師13名、 作業療法士1名、 事務1名の計15名が所属しています。
居宅介護支援事業所も併設しています。
約90名の利用者様の多くは高齢者で、終末期をはじめ医療的ニーズを抱えています。
サービス提供地域は、姶良市・霧島市・湧水町にまたがり、車で40分程かかる場所もあります。
これまでの運用に、 どのような課題を抱えていましたか?
利用者様宅へ訪問後、 スタッフは事務所に戻り紙カルテで記録書Ⅱを作成していました。
記録書Ⅱは、1枚で6日分の訪問記録が記載できました。
1 日に5件ほど訪問すると、 記録書Ⅱの作成だけで30分以上はかかっていました。
また、訪問が立て込んでいると記録の作成は後回しになりがちです。
時間を見つけて事業所に立ち寄り、過去分を遡って作成したり、訪問日順に記録が並ぶように書き直したり…とにかく面倒でした。
夜間の緊急対応時も、記録は次の出勤時にまとめて作成していました。
計画書や報告書も職員ごとに独自の様式を使用していたため、他のスタッフが修正できず情報共有が大変でした。
そういうストレスが積み重なっていたこともあり、スタッフの負担を減らそうと記録の電子化にトライすることにしました。
じゃあどうやって電子化をするかとなったときに、やっぱり居宅や介護請求でも使っていた『寿』を使いたいねと自然と決まりました。
新型コロナが感染拡大し電子化する必要性を更に感じていた時に、ICT 導入支援事業の募集があり、タイミングよく始められました。
導入効果を、 どんなところに感じますか?
一番嬉しいのは、訪問と訪問のあいだに記録ができることです。
車での移動が多く途中で事務所に戻ってこれない場所でも、すぐその場で記録が書けます。
紙カルテの時は持ち出しができず、情報を見たいときに見れませんでした。
『寿』 ではいつでも見れます。
40-50 代の職員が多いので子供のお迎えで時間に余裕が無いと、事務所によって記録までして帰るというのはなかなか難しいです。
訪問先 ・ 車 ・ 家 ・ 事務所とタイミングや場所を選ばず、記録が出来るのでスタッフに好評です。
管理者としては、 紙カルテの時よりも確実にリアルタイムで記録が共有されるようになったと感じています。
訪問実績の確認もリアルタイムでしやすくなりました。 わざわざスタッフに連絡をしなくても、 訪問時間の変更や申し送りがあるときに、すぐ記録として共有され、正確に把握できるので助かっています。
記録書以外では、計画書や報告書も『寿』で統一しています。
管理者がチェックしやすく、修正も簡単にできるようになりました。
具体的にどのように運用していますか?
1 人 1 台ずつ、 専用のノートパソコンとモバイルルーターを使用しています。
『寿』の機能は、使えるところはほとんど使っていますね。
- 利用者台帳
- 計画書
- 報告書
- 記録書Ⅰ・Ⅱ
- 褥瘡計画書
- 情報提供書
- 業務日誌
- 文書管理
また、姶良地区では「連携シート」というエクセル様式を使って、病院との情報連携を行っています。
そういった独自の様式は、 文書管理で運用しています。
どんな工夫をしましたか?
記録書Ⅱを作成する際に、医療的処置や加算に関するものは「ケア実施項目」として選択式で入力できるようにしました。
例えば特別管理加算を選択した場合は、さらに「褥瘡・人工肛門・人工膀胱・留置カテーテル・経管栄養」…等も選べるようにし、該当する医療処置も残せるようにしています。
緊急時の訪問看護加算であれば、家族へ説明したか・家族の反応はどうだったかというところまで記録に残さないといけません。
誰がどういった加算を取得しているかわかれば、訪問記録を見返したときに、加算に必要な記録がきちんと残っているかチェックするのも簡単になりました。
管理者としては、1 か月あたりの医療処置の件数も出しやすくなりました。
褥瘡の計画書に、写真を添付できるのもいいですね。
今後取り組みたいことは?
操作説明書にはのっていないような、記録のルールや写真添付のルールなど、事業所独自の運用マニュアルは作りたいなと思っています。
また、郵送でやり取りしている「訪問看護指示書」を始め、医療機関や行政と必要な情報がデータでやり取りでき、もっと便利になることを期待しています。